北側から入るキプロス

「人が行かないところへ行く」のをスローガンに掲げる私は、イスタンブールまで来たからには北キプロスには行かねばならぬ。ただし短期の旅行だから早朝発深夜着の日帰りでニコシアに絞る。

行きはサビハ・ギョクチェン→エルジャンをトルコ航空で予約。早朝でぼんやりしていたか間違えてチェックイン後に国内線の荷物検査の列に並び係員に指摘されたが、北キプロス自体実質的にトルコの一部みたいなものだからなあ。待っていたのは子会社のアナドルジェットで、機内誌を見たら運航はほとんど国内線で国際線はエルジャンとエルビル(イラク)となんとも微妙なところにしか飛んでいない。早朝に起きたので離陸後すぐに寝てしまう。2時間強の空の旅で到着。入国審査でスタンプを押して良いかジェスチャーで聞かれたが、ここに来たからには当然押してもらう。これで対立するキプロス(南側)とギリシャには直接入国できなくなった。


空港からはバスを待ってニコシア市街地へ。城門から少し北側に離れたところで降ろされる。目の前は駐車場にテントを張ってバザールとなっていたので、ここを冷やかすところから観光スタート。野菜に果物の色が映える。


南に15分ほどあるくとニコシアの城門、アタチュルクの銅像が誇らしげに鎮座するあたりはトルコの一部な感じである。


ビュユック・ハンへ。保存状態は良く保たれている。雑貨店とレストランがあるが暇そうである。すぐ近くに古くからある市場があるが休業日。


こちらはセリミエ・モスク。その昔はカトリック教会であったがオスマン帝国の時代に建物はそのままにモスクに転用。教会建築にミナレットを立ててモスクにするのはアヤソフィアも同じだが、建築文化への敬意か、はたまた大きすぎて壊すのが面倒だったからか。


ニコシアの北側は全体的に静かで歩く人も少なく、田舎町の風情がある。


そして市街地を東西に貫く国境のグリーンラインを超えて南側へ。北から南へ行けるか少々不安だったが全く問題なし、入出国手続きは極めて簡単に終了。南側はパスポートをスキャンするだけ。お互いに相手を国家として認めていないからパスポートにスタンプは押されない。


南側に入ると小綺麗な商店街となるが、町並みも洒落ているし道路などインフラも整備されている。一気に変わる街の様相は都会に来たというよりも「ヨーロッパに来た」ことを強く実感する。名物なのかアイスクリーム屋さんが多く、一ついただく。


ヨーロッパ感を更に強めたのは昼食で、ケバブにハルミチーズと完全にギリシャな選択。ピタパンが予想より大きくお腹いっぱい。ケバブは豚肉で、ケバブが羊から豚になりアジアからヨーロッパに入ったことを実感したと記した沢木耕太郎の「深夜特急」を追体験することとなった。理系であることが祟りギリシャ文字は数学や物理にしか見えず言語として認識できない。


南側をざっと周るなら教会巡り。入出国のゲートの近くには地元の信仰を集める正教会が2堂と、西側の城壁の近くにマロン派とカトリックの教会がある。マロン派教会は当然ながらレバノン国旗がはためくが、日出ずる国の国民としては「カルロス・ゴーンに天誅」と認めて入り口の扉にでも貼りたいところ(苦笑) バチカン大使館を兼ねたカトリック教会はグリーンライン上にあるが、暗に調停を期待されているのであろうか。
その他は博物館めぐりと土産の買い物。水を求めに入った商店はお釣りをキプロスのユーロで支払ってくれたが、それを指摘すると「お前はコインに興味があるのならこれも5ユーロで売るぞ」とキプロス・ポンドの硬貨を出してきた。商売上手だなあ。



北側に戻り、最後に北キプロス・トルコ共和国の大統領府を外側から。門番は気さくな人で問題なく許可が取れた。


スーパーに入り土産物を物色してからはバスで空港へ。3時間前の到着は少々早いかと思ったが、日曜の夜の空港は超満員で荷物検査に出国審査を終えるまでに2時間程度を要した。フライトは全て国際線(といっても行き先はトルコの各都市のみ)だから大きな免税店もあり、北キプロス産のブドウのリキュールを一本購入。

帰路はLCCのペガサス航空、大幅に遅れることが懸念されたがそれはなく、ほぼ時刻通りに到着で最終のリムジンバスに間に合った。戻ったらイスタンブールは大雨だった。


[2020年1月訪問]
これは2020年の正月明けの訪問記である。
新型コロナウイルスにより情勢が一変し、南北の往来は再び閉ざされることとなった。往来が復活する日をただ祈るばかりである。(2020/3)

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