ケルン競馬場で秋のG1

出張の帰りはフランクフルトから、なのだが運良く1日オフとなった。この日は何をしようと調べてみればケルンで競馬開催、しかもオイロパ賞(Preis von Europa, G1)である。世界遺産たる大聖堂の見学と合わせていざ出撃。海外旅打ちもこれで8カ国目となるが、G2は見たことがあるがG1は初めて。

帰国便のフライトが早朝発のためホテルは空港近く。実は欧州のハブたるフランクフルト空港は鉄道も充実しており、そこそこ歩くとはいえ空港の隣に鉄道駅があり特急系統も頻発している。
朝のICEでケルンを目指す。ケルン中央駅まではICEで1時間で、東京から静岡までいく感覚か。車内で読もうかと売店で競馬新聞を探すも売っていない。


駅を出るといきなり有名な大聖堂の偉容と対面する。日曜の朝方はミサの時間、堂内に入場してから聖職者のチェックがあり観光客は入口まで。それでも天井の高い荘厳な空間の空気に触れるだけでも一見の価値はある。大聖堂を写真に収めるには鉄道橋に付設された歩道でライン川を渡って対岸からのほうが、橋と教会と駅とが織り成す風景が撮れる。対岸にはオペラハウスがあるが、ここはオペラよりもキース・ジャレットのコンサートで洛陽の紙価、いやケルンのレコード価を高めたので有名か。


駅前に戻るとライン川沿いの歩道は蚤の市が立っており、雑貨や食器だけでなく古書・レコードや中古カメラまで売っている。秋の気配のなかでいろいろ見ながらの散歩は気分が良い。レコード屋には掘り出し物が眠っていそうな匂いを感じる。ケルンの駅に戻り駅舎内の本屋に入ると、鉄道本に漫画が大量に陳列してあり「ここは書泉グランデか」と驚くくらい。


午後の勝負に向けてU-bahnで移動。中央駅前の地下から乗り、一度乗り換えてScheibenstraßeで降りる。駅から数分歩いて入場ゲートに到着、入場料は12€、レーシングプログラムが付いている。ここでフランクフルトやケルンの市中で入手できなかった競馬新聞(3€)を購入。本日のプログラムは10レース、第1レースは14:00出走で第10レースは18:40出走、ほぼ30分間隔だ。メインは7レースの芝2400mのG1オイロパ賞で1着賞金10万€となっている。


少々早めに到着したので第1レースまで1時間以上ある。まずは場内を散歩。コースは芝のみの右回り、直線は600m以上あるから府中よりも長い。ゴールに向かって登り坂となっていて力の要る馬場にみえる。メインスタンドは歴史を感じさせるたたずまい。


スタンドの裏側は馬券売り場が並ぶ。そしてドイツらしくビアガーデンがありテーブルに座って飲食を楽しめるが、ビールにソーセージはスタンドで売っている。B級グルメの代表格カリーヴルストもあるし、HARIBOのグミ量り売り屋台なんてものもある。


欧州の競馬場で気になるは服装なのだが、一般席に関してはドレスコードはなし。Tシャツにジーンズでも構わないが、鉄火場ではなく社交場なので清潔な着こなしであることは暗に求められる。日差しが強いので帽子と日焼け止めは持参したほうがよい。

まずはビールで景気づけ。ケルンなので当然ケルシュがお待ちかね。競馬場で売っているのはSion Kölschで、飲み口が軽くすっきりなのでこういう場所には最適。1杯3€だがグラスのデポジットとして1€多く払い、飲み終えてグラスを返せばデポジットは戻ってくる。お隣には本日お世話になる競馬新聞、タイトルが"Sport-Welt"(世界のスポーツ)とは大きく出ている。豊富な競馬記事(もちろんドイツ語、私は分かりません)と出走馬の情報と予想が載っているが、過去の戦績も馬場状態と順位が載っているくらいで、途中の位置取りは載っていないから脚質が分からない。調教時計とか馬体重とか日本の競馬新聞でおなじみの情報もない。日本なら「週刊競馬ブック」が近いかもしれない。


肝心の馬券の買い方だが、ここはマークシートがあるからマークにチェックすればよい。レーシングプログラムに図解が載っている。単勝はSieg, 複勝はPlatz, 馬単はZweinerで、馬連は売っていない。マークシートは馬券売り場に持っていくが、マークシートを機械に通して馬券に換えるのは窓口の人がやっている。おかげで毎レース行列ができて発走時刻に間に合わず遅れ気味の進行となる。ドイツらしからぬと思うのだが雇用確保の側面もあるのかもしれない。

第1レースは1600mの2歳未勝利戦で6頭立ての少頭数、とはいえ未出走の馬が混じっているので予想は難しい。前走2着の1番Grocer Jackがパドックでもよく見えたので単勝を5€ほど。これが見事に逃げ切り5.4倍のそこそこの配当。後続の馬が届くようで届かず、直線は長いものの先行馬有利の馬場のようだ。


第2レースは1850mの3歳未勝利戦、こちらはパドック。馬の仕上がりも良くプログラムを見ながら真剣に見ている観客が多い、イタリアとは違う(笑) ここも単勝を狙うが狙った馬は3着、勝ったのはAssisi's Trystで騎手は短期免許で来日経験もあるミナリク。その後1850mのレースが3つ続くがハズレが続き、第1レースの配当も使い果たす。


第6レースは2100mの条件戦、1頭取り消して6頭立ての少頭数。RonaldoとRicardo、ブラジルサッカーを思わせる名前の馬が人気を分け合う格好。パドックの状態からRonaldoの単勝。距離が延びたのでスタンド前からの発走。本来の発走時刻は16:40なのだが、もう15分も遅れている。直線で伸びてきたのはRicardoのほうでRonaldoは3着、あと一歩のところでうまくいかない。


そして本日のメインは第7レースの芝2400mオイロパ賞(G1)、独ダービー馬Laccarioが取り消して9頭立て。この時期の芝2400mのG1といえばロンシャンの凱旋門賞だが、そこは少々家賃が高いという馬が集まったというべきか。遠征馬が3頭とドイツ馬が6頭、実績が抜けているのは独バーデン大賞→豪コーフィールドカップとG1を連勝したBest Solutionなのだが、欧州に戻ってG3を7着、一叩きで調子が戻ったかはパドックで判断するほかない。私の見立ては気合乗り十分、Best Solutionの単勝と、ここから4頭に流す馬単で中穴を狙う作戦。
まずはスタンド前を全馬が走る、ここで観客からは拍手。バックストレッチでも馬群は固まったままで、これは長い直線での勝負だ。モニタを見ればBest Solutionは直線で全く伸びてこず、ここで馬券はハズレが確定。連下の1頭としたAspetarが直線よく伸びて1着で、ノーマークだったAmorellaが粘り込み2着、4番人気と7番人気の組み合わせで馬単は187.3倍の大穴。うーむ。


第8レースは2200mの条件戦、11頭立て。馬柱を見れば3番の4歳騸馬の馬名がHisahito、悠仁親王にあやかった命名かは知らないがドイツにこんな名前の馬がいるとは。前走1着と実績も良いし、これは皇国の臣民としては全力応援せねばとパドックを見たら、気性の悪さを出していて騎手がなんとかなだめている。だから騸馬なのかと納得。それでも初志貫徹と単勝10€で応援したが、直線で馬群に沈んで5着。


完全にオケラとなり意気消沈のため残り2レースはパスして競馬場を後にする。最後にもう一度大聖堂を見学しようと立ち寄ったらミサの直前で、パイプオルガンの美しき音色に少々救われた。オケラになることは教会での懺悔の対象なのだろうか、聞いてみたい気がする。

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